1303号室

APARTMENT 1303
2007/Japan , USA/94min
監督:及川中
出演:中越典子 , 古田新太 , 大谷直子 , 板谷由夏 , 深田あき , 初音映莉子 , 松尾敏伸 , 街田しおん

公式サイト 公式サイト

海からの風に揺れるカーテン。染み一つない綺麗な部屋。「1303号室」のプレートが真新しく光る。
憧れだった、海の見える高級マンション。緑川沙弥香の胸は高鳴る。明日から恋人の岩田健一郎と共に同棲生活が始まるのだ。引越しを終えた二人は友人を招き、ホームパーティーを開く。友人たちの祝福に囲まれ、沙弥香は人生最高の日を迎えていた。
パーティーも終盤を迎え、沙弥香は飼い犬のサマンサを追って和室に踏み入った。鼻をくすぐる、何かの腐ったような臭い。押入れの襖に何者かの気配があった。リビングに戻り、頼りない足取りでベランダへと向かう沙弥香。健一郎は不信の目を向ける。明らかに様子がおかしい。沙弥香はソファに置かれたクマのぬいぐるみを抱き、健一郎に微笑みかけると、そのまま躊躇なく地面へと身を投げた。
コンクリートの表面に叩きつけられ、ありえない方向に曲がった沙弥香の四肢。笑っているような顔。身体から染み出す赤黒い液体……。
人形のように綺麗な少女がクマのぬいぐるみを拾い上げ、囁いた。
「また落ちちゃったね……」

公式サイトより一部転載)

  • 大石圭氏の同名の小説を映画化した、マンションの1室を舞台にしたオカルト・ホラー。
  • 痛い描写よりも気分や精神的な方面に重点を置き、怨念を軸とした設定とストーリー展開、とにかく湿っぽい空気感を強調した演出など、Jホラーの王道を行く。定番的なお話を観たければ最適。
  • クライマックスからの流れにおいて、それまでひた隠し、蓄積していたB級テイストを一気に吐き出すかのような作品トーンの変化には多少なりとも面喰らうものがあり、賛否両論となるかも。
  • いずれにせよ、鑑賞後に後味の悪さが残る事は間違いない。
  • 中越典子の演技力の高さと存在感は抜群であり、本作を肯定するに足る重要な要素となっている。加えて、出演シーンの少なさの割りに強烈な印象を残す古田新太、大谷直子の存在も特筆もの。

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