血を吸うカメラ

PEEPING TOM
1960/UK/102min
監督:Michael Powell
出演:Karlheinz Bohm , Moira Shearer , Anna Massey , Maxine Audley , Michael Powell , Shirley Anne Field , Brenda Bruce , Miles Malleson , Esmond Knight , Martin Miller , Michael Goodliffe , Jack Watson , Pamela Green , Nigel Davenport

心理学者の息子であるマークは幼い頃、恐怖が人間に与える影響について、父親から絶えず実験をされていた。度重なる実験は、マークを次第に狂気の淵に追いやっていった。やがて成長したマークは、女性の表情をカメラに収めることに執着するようになる。そしてついには、死の間際の表情を撮りたいと熱望するに至る…。

  • 監督・製作・出演:マイケル・パウエルによるサスペンス・ホラー。
  • クラシック・ファンにはお馴染みのカルト作品。“国際ニュース誌「TIME」が発表したホラー映画の歴代ベスト25に入っている”とのこと。ただ、公開当時は興行的に観ると失敗作扱いだったらしい。
  • 日本語訳すると窃視症、所謂“出歯亀”を意味する原題『PEEPING TOM』より、サスペンス性を感じさせる邦題の方がセンス良く思える。
  • 製作された時期が近かったヒッチコックの『サイコ』と比較される事が多く、それについては他の秀逸な批評家さんに任せたい。異常性で言えば本作のマークの方がより不気味なサイコ野郎だとは思う。
  • 残酷描写が過熱する一方の現在の猟奇犯罪ものからすれば随分と温い内容に感じるのは当然だが、“幼少時に負わされたトラウマ”を扱った内容は今でも充分に衝撃的。
  • 散々引っ張ってきた割に実にあっけない幕切れで締められ、後味の悪さばかりが残る。

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