チルド

CHILL
2007/USA/82min
監督:Serge Rodnunsky
出演:Thomas Calabro , Ashley Laurence , Shaun Kurtz , James Russo , Victor Grant , Clark Moore , Barbara Gruen , Barbara Gruen , Adam Vincent , Chad Nadolski , Drew Nye , Andrew Mia , Heidi Holland , Rich Finley , Doug Friedman , Eddie Moffett

かつて起こした医療事故が原因で医者を辞め、小説家を目指しているサム。生活のために、小さな食料品店で働くことになった。店主で元医者のムニョスは、悪魔の書=ネクロノミコンに魅せられ、寒い部屋で謎の研究をしていた。サムは、向かいの店で働くマリアから、刑事にストーカー行為を受けていることを相談される。コールガールの失踪事件の捜査をしている刑事は、サムがマリアとの仲を邪魔していると疑い、サムを犯人に仕立て上げようとする。サムはムニョスの手伝いを頼まれるが、次第に恐るべき事実に気がつく。謎の連続失踪事件。凍えるような部屋の秘密。全ては繋がっていたのだ。ムニョスは人を誘拐して冷蔵室に保管し、恐るべき人体実験をしていた。そして、マリアもムニョスに捕らえられてしまう。サムは彼女を救出しようとするのだが。そして待ち受ける恐ろしい出来事とは…。
商品ページより転載)

  • ハワード・フィリップ・ラヴクラフトが1926年に発表した短編小説『COOL AIR/冷気』を原案としたサスペンス・ホラー。1993年製作のオムニバス『ネクロノミカン』内の一遍、金子修介監督作品『THE COLD』と同じ原作。
  • 主演はトーマス・キャラブロ。『ヘルレイザー』シリーズのカースティー役アシュレイ・ローレンスも出演。
  • ネクロノミコンがキー・アイテムとなってはいるものの、クトゥルフ神話との関連は薄め。一応ゾンビもの。
  • 映像自体は凝った仕掛けやこれといった目玉的要素もなく、面白みの少ない画作り。特殊メイクはそれほど安っぽくは見えないけれど、ものすごく手が込んでいる訳ではない。
  • バイオレンス・シーンなど派手な要素を画面外で処理してばかりなので、怖さや迫力が全くない。
  • 『墓地裏の家』をはじめ、似たようなストーリーの作品は何作か思いつくけど、自分が生き続けるために他人の皮膚を移植し続けるマッド・サイエンティストという設定そのものは充分に気持ち悪い。
  • 多少込み入った人間関係を取り入れている割に構成自体はわかりやすく纏められ、最後にしっかりとサプライズも用意されている。多少破綻はしているけど、気にしない方が懸命。
  • 全体的に平坦な印象が続き、ついにはクライマックスにあたるシークエンスまでも圧倒的に盛り上がらずに終わる演出力の低さが残念。その時に発生する火災から爆発までの映像処理が、あまりにも安っぽい合成で済まされてしまうあたりでがっかり感に拍車をかける。

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