アリス

ALICE / Neco z Alenky
1988/Czechoslovakia , Switzerland , UK , West Germany/85min
監督:Jan Svankmajer
出演:Kristyna Kohoutova

散らかった部屋の中で、あまりの退屈さにうんざりしたアリスは、人形で“アリス”ごっこを始める。とその時、ガラスケースの中の白ウサギが突然動きだし、懐中時計を手に慌てて駆け出す姿に驚きながらもアリスは後を追うことにし、いつしか不思議の国にたどり着く。面白半分にインクを飲み、あっという間に小さくなったアリスが、タルトを食べると今度は大きくなってしまう。
映画.comより一部抜粋転載)

  • ルイス・キャロル作の小説『不思議の国のアリス』を、チェコスロバキアの人形アニメーション作家ヤン・シュヴァンクマイエルが独自の解釈に基づいて、ストップモーション・アニメーションと実写の組み合わせによって映像化したファンタジー作品。
  • 主人公が幼女ということでロリータ・コンプレックス的雰囲気いっぱいのヤバめな作品かと思いきや、クリスティーナ・コホトヴァ演じるアリス以外は不気味さや不安感を煽るデザインが施された人形しか登場せず、シュールを狙った映像と併せて何とも奇妙な空気感を持つ独特の世界観を誇る作品だった。
  • 起伏に乏しく淡泊な演出の中、ストーリーは理解が追い付かないままどんどん進み、これも淡泊気味な色見で統一された映像感覚と併せ、正直なところ映画作品としては退屈気味と言わざるを得ない。ただ、とにかく“変”な映像感覚は何故か目が離し難くなり、アリスと共にウサギを追いかけて行きたくなるような不思議な感覚に陥る。
  • 極端に人を選ぶ作品なので合わない人は徹底して合わないけど、この雰囲気と感覚が良いという人はいるはず。
  • オチとしては夢オチとなるものの、全てが夢(妄想)とは言い切れず、といった不思議な締め方が面白い。

コメント