ファウンド

FOUND
2012/USA/103min
監督:Scott Schirmer
出演:Gavin Brown , Ethan Philbeck , Phyllis Munro , Louie Lawless , Alex Kogin , Andy Alphonse , Shane Beasley , Angela Denton

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11歳の少年マーティ。学校ではいじめられ、両親も不仲。そんな彼の楽しみは、家族の秘密をのぞき見すること。お母さんの秘密は、ベッドの下に隠されたラブレター。お父さんの秘密は、車庫の奥のヌード雑誌。だからお兄ちゃんが、クローゼットに生首を隠していても変じゃない。時々変わる生首を、人知れず取り出しては眺めるマーティ。しかしある晩、いつものようにクローゼットを探るとそこには同級生の首が…。僕が秘密を知ってること、お兄ちゃんが気付いたかもしれない…。
商品ページより転載)

  • 作品としては、あまり抑揚がない進行で演出も目立つところがなく、カメラ・ワークも何処か不安定で、正直なところ褒められた出来ではない。しかし“クローゼットに生首がある”という異様さが気になって結局最後まで観てしまうという不思議な作品。
  • “兄はクローゼットに生首を隠し持っている”というシュールなシチュエーション故、きっとマーティ少年の妄想とか何かの暗喩かと思っていたら、本当に兄がサイコ野郎だったことは何気に衝撃的。
  • わざわざスマホどころか携帯電話もなく、レンタル店ではDVDではなくVHSという時代設定にしているのは、偏に劇中作『HEADLESS』に70~80年代ゲテモノ・スプラッタ・ホラーの雰囲気を持たせたかった為な気がする。
  • その『HEADLESS』は残酷度、変態性に於いてかなり要注意、人によっては最高速で早送りした方が良いかも。往年の底辺B級以下ホラー好きにとっては、このアナログ感たっぷりのゴア描写はたまらないものがあるはず。ちなみに2015年にスピンオフで『HEADLESS』が製作され、より狂気と変態性を増した作品となっているとの事。正気ですか?日本での発売が待たれる。
  • 終盤、いじめに耐えかねたマーティが暴れた件で神父が説教するシーンで、確かに“大人”としても神父の体面としてもそう言うだろうけど、不当な扱いをされ続ける弱者は反撃さえ許されないのかというマーティ側の心理も理解できるだけに難しいテーマではある。ただ、“怒られるだけ”だから戦えという兄の導きは解決方法の一つとして充分正論であり、マーティがとった言動・行動は正しい。
  • クライマックスになるはずの〇〇殺害シーンでは別の部屋に監禁された弟の視点で固定され、映像としては一切描かれず、漏れ聞こえてくる音・声だけで何が行なわれているかを想像するのみ。これはこれで実に厭な気分になれる。これをやりきった監督は只者ではない。
  • この後、多分兄は逮捕されその一生を監獄で終える事になり、弟の方は好機の目に晒され続けることになるんだろう。その後、弟が兄の意思を継いでサイコ野郎になっていく続編と言うのもありと言えばあり。ただし観たいとは思わない。

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