うしろの正面

うしろの正面
2017/Japan/75min
監督:三宮英子
出演:吉田裕美 , こうのゆか , 富永早絵 , 南部鉄男 , 藤本弦太 , 沢森のりこ , 古賀司照 , 水沢翠 , 松下愛子 , 安倍香 , 三宮英子 , 井ノ浦亮介 , 西島舞 , 西島ゆい , 雅嵐 , 関幸治 , 星野佳世

夫の転勤で東京へ引っ越してきた杏。誰も知り合いのいない街で、友達作りのため、ヨガ教室へ通っていた。オカルトやスピリチュアルに興味のある杏は、そこで共通の趣味を持つ主婦、舞衣子と美紀と三人でオカルトブログを始める。ある日、ブログに奇妙な書き込みがある。3時33分にインターネットで『かごめかごめ』と検索すると何かあるみたい…と聞き興味本位で検索をする杏。そこには子供たちが輪になり、かごめかごめで遊んでいる様子が写っているだけで何も起こらなかった。だがその後、彼女たちの周囲で、次々とおぞましい事件が起こり始めた。はたして、『かごめかごめ』に秘められた謎の呪いから、杏たちは身を守ることが出来るのか…。
商品ページより転載)

  • 童謡『かごめかごめ』を題材にした都市伝説系邦画ホラー。
  • 赤をフィーチャーしたオープニング映像のセンスの良さには拾い物の予感がした。始まってみると多少なりともショッキングでグロ度が気持ち高めな演出は数箇所用意されてはいるとはいえ、全体としては抑揚に乏しく地味な演出が続き、独特の間合いにも波長が合わず、こう言っては何だけど見事に裏切られた気分となった。
  • 所説渦巻く『かごめかごめ』を題材にしながらも、歌自体にほとんど意味はなく、単に都市伝説の一つとして怪異開始のトリガー程度にしか使われていないのが勿体無い。そもそもあのビデオは誰の視点で誰が撮っていたんだろう。
  • 呪術師のいきなりの竹中直人チックなコメディ要素は必要だったのか。
  • このまま主人公の怯え顔だけ見せ続けられて終わるのかと思い始めたところで、クライマックスに至って漸く唐突気味に悪霊らしきものが登場する。テンプレート通りの白い服に黒長髪にはうんざりだけど、何か救われた気にはなった。例え怖さよりも汚さが気になり、物理攻撃で反撃可能な上、言葉一つで消え去るような存在でも何も無いよりはまし。
  • ラスト・シークエンスの意味はわかりかねる。主人公がスイカを切って一人でニヤリした後、鏡の中の主人公がこっちを見て何か呟いて終了。何故か傷も治っているし。憑依されたとでも?
  • かの要注意作品『屋敷女』の影響が見え隠れするけど、正直なところ足元どころか足の爪の先さえにも及ばずといった感じ。
  • 後から知ったけど、本作の煽り文句の一つに“レディース・ホラー”とあった。なるほど、主婦通しの上辺だけの薄い付き合いこそ一番怖い事を描きたかったのか。

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