死霊のえじき:Bloodline

DAY OF THE DEAD: BLOODLINE
2017/Bulgaria , USA/90min
監督:Hector Hernandez Vicens
出演:Sophie Skelton , Johnathon Schaech , Marcus Vanco , Jeff Gum , Lillian Blankenship , Ulyana Chan , Shari Watson , Atanas Srebrev , Mark Rhino Smith , Nick Loeb , Vladimir Mihailov , Nathan Cooper , Bashar Rahal , Brian Terrence , Cristina Serafini

街にはロッターと呼ばれるゾンビが蔓延していた。大学の医療センターで医学生ゾーイはロッターの研究を行っている。ある日、ゾーイは一方的に好意を寄せられている患者のマックスに強姦されそうになるが、マックスがゾンビに襲われ、ゾーイは助かる。
5年後─ゾーイたちは生き残り軍事施設にいたが、さらに世界中にはゾンビが増殖していた。その施設内で抗生剤の効かない謎の伝染病が発生し、ゾーイは施設外へ薬を取得しに行くことになる。途中、5年前に死亡したはずのマックスがゾーイを追って施設内に忍び込んで来る。ゾーイはマックスにはウィルスへの抗体があることに気づき、ミゲル大尉たちの反対を押し切りマックスの血清から特効薬を作ろうとしていたが、マックスは鎖を引きちぎり脱走してしまう…

商品ページより転載)

  • ゾンビ映画のゴッドファーザーであるジョージ・A・ロメロ監督のゾンビ旧三部作の最終章『死霊のえじき』のリブート作としてブルガリアとアメリカ合作で製作されたゾンビ・ホラー。2008年にスティーヴ・マイナー監督が『デイ・オブ・ザ・デッド』を製作しているので、本作は2度目のリメイク作となる。
  • 監督はエクトル・エルナンデス・ビセンス。出演はソフィー・スケルトン、ジョナサン・シェック、マーカス・ヴァンコ、ジェフ・ガム他。
  • “知性があるゾンビの登場”“主な舞台が軍隊の基地”という設定に相似点が見られる以外、全く独自の展開、設定となっているため、わざわざ本作を『死霊のえじき』とした意図は不明。単に凡百のゾンビ映画としてならゾンビ・メイクを含めたスプラッタ描写やドラマチックな展開を以てそれなりの面白さはある。
  • ストーリーとしては正義感の為とは言え判断が次々と裏目に出てしまう医学生が、ある程度の自我がある新種のゾンビと遭遇した事で起きるドラマを描いたもの。
  • ゾンビを“ロッター”と呼称してオリジナル性を出そうとする事自体は悪くない。ただ、それほど意味は無いように思える。
  • 知性の残るゾンビとの攻防といえば聞こえが良いけど、実際はゾンビになっても惚れた女性を追い掛ける一途な(?)ストーカーは偶々ゾンビ・ウイルスに抗体がある体だったというもの。所謂「何その偶然」感で一杯。
  • 結局ほとんど『~えじき』とした意味合いが見いだせなかったので、せめて旧作のローズ大尉の役どころに当たるミゲル大尉に「CHOKE ON 'EM!」を叫ばせるぐらいのサービスはあっても罰は当たらないと思うんだが…。
  • 散々周りを巻き込んだ挙句に一拠点を全滅に追い込んでおきながら、念願のワクチンを手に入れ恋人の命を救ってご満悦の主人公を映すエンディング・シークエンスには唖然としたものの、ゾンビ映画らしいB級感に溢れた滅茶苦茶さ加減自体は嫌いではない。
  • 『死霊のえじき』というネームバリュー以外のセールス・ポイントがなく、それさえも古株のゾンビ好き以外には何の効果も無いのに、なぜセル版発売の3ヵ月前の2月に先行レンタルに踏み切ったのか。セル版を先に出すのが正解だったと思われるけど、譲歩してセル版を後に出すなら特典映像等を充実させるべき。予告編と初回盤のみのアウターケース仕様だけでフル・プライス…。ここがマニアの辛いところか。

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