富江VS富江

富江VS富江 

2007/Japan/86min
監督:久保朝洋
出演:あびる優 , 八戸亮 , 松岡恵望子 , 三浦誠己 , 菅原大吉 , 長江英和 , 梶原阿貴 , 伊藤洋三郎

公式サイト

恋人の尚子を目の前で何者かに殺された梅原一樹は精神的に強烈なダメージを受け、カウンセリングに通いながら社会復帰を目指していた。目の前で殺されたとは言え、一樹に事件の定かな記憶はない。そもそも、尚子の死体すらなく、警察は事件そのものの存在すら認めていない。しかし、一樹は尚子の遺骨の一部を形見として持っている。確かに尚子は死んだのだ。自分自身でも症状の改善が著しいと感じた一樹は、社会復帰をして働くことにする。一樹が就職した先はマネキン工場であった。工場長の藤田に先輩工員の岸田を紹介された一樹は、彼から仕事を教えてもらうことになる。ある日、藤田に「会わせたい人いる」と工場の別棟に連れていかれた一樹は、そこで信じ難いものを目にする。会わせたい人は、尚子と瓜二つなのであった。彼女の名は富江。藤田も他の工員も富江の魔性に取り憑てしまっている。その魔性の瞳で一樹を彼ら同様に自分の虜にしようとする富江だが、一樹の脳裏によぎる尚子の残像が富江を受け付けようとしない。逆に過剰なまでの拒絶反応を示してその場から立ち去ってしまう。男からそのような態度を受けたことのない富江は、必ず一樹を虜にするという強い思いを抱く。富江は一方である女性を藤田と工員の大城に探させていた。その女性は岸田と一緒に暮らしていて、また彼女も富江を探していた。その女性の名も、トミエ…。2人とも左目の下に小さなホクロが…。2人の富江?富江が同時に増殖を始めたのか?
商品ページより転載)

  • 伊藤潤二の漫画を原作とするホラー・ドラマ・シリーズの7作目。
  • 監督・脚本は久保朝洋。本作の富江はあびる優と松岡恵望子が演じる。
  • お話の方は後半で意表を突かれる超展開が待っている事でまだ救いがあるけど、全体的に丁寧に語るというより単に冗長なだけにも感じる程遅めの作品テンポで、率直に言えば退屈気味な出来。
  • 切り株描写の直接的な表現がない事もあって、状況の気持ち悪さ以外はホラー映画としての怖さは低め。
  • “VS”とあるので、増殖した富江達による血みどろの戦い的なスプラッタを期待していたら、実際は二人の富江の対面シーンになっても特に盛り上がる事なく、もっと言えば対決すらしないまま終了していた。勝手に期待したこちらが悪いんだけど、騙された気分でいっぱい。
  • 本作の富江は歴代と比較しても二人とも見た目だけなら引けを取っていないとは思う。ただ、ネタバレになるけど、本作で登場するのは富江のコピーという設定であるため、殺しても蘇ってくるという“富江”シリーズ特有の面白さの放棄と楽しみ方の否定している事は事実。ラスト・シークエンスに至ってようやく“富江”を観た気になったのは、そこでやっと本来の富江らしさを確認出来たからなんだろう。
  • シリーズとしてはこの後、富江役に仲村みうを迎えた『富江 アンリミテッド』(2011年)が作られている。

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