DUNE/デューン 砂の惑星

DUNE: PART ONE / DUNE 
2020/United States , Canada/155min
監督:Denis Villeneuve
出演:Timothée Chalamet , Rebecca Ferguson , Oscar Isaac , Josh Brolin , Stellan Skarsgård , Dave Bautista , Stephen McKinley Henderson , Zendaya , Chang Chen , Sharon Duncan-Brewster , Charlotte Rampling , Jason Momoa , Javier Bardem , David Dastmalchian , Babs Olusanmokun , Benjamin Clémentine

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・全宇宙から命を狙われるひとりの青年に、未来は託された-。
・この惑星を制したものが、全宇宙を支配する。


全宇宙から命を狙われる、たった一人の青年、ポール・アトレイデス。彼には未来を見る能力があった。宇宙帝国の皇帝からの命令で一族と共に〈砂の惑星/デューン〉へと移住するが、実はそれはワナだった!父を殺され、巨大なサンドワームが襲い来るその星で、ポールは全宇宙の未来のために立ち上がるのだが・・・。
商品ページより転載)

  • フランク・ハーバート作のSF小説を『ブレードランナー 2049』『メッセージ』などの監督ドゥニ・ヴィルヌーヴが実写映画化したSF・アクション・ドラマ。当初より2部作として製作され、2023年に後編『DUNE:PART TWO』の劇場公開が決定している。 
  • 出演はティモシー・シャラメ、レベッカ・ファーガソン、オスカー・アイザック、ジョシュ・ブローリン、ステラン・スカルスガルド、デイヴ・バウティスタ、スティーヴン・マッキンリー・ヘンダーソン、ゼンデイヤ、チャン・チェン、シャロン・ダンカン=ブルースター、シャーロット・ランプリング、ジェイソン・モモア他。
  • 過去には制作中止となったアレハンドロ・ホドロフスキー版(2013年にドキュメンタリー映画『ホドロフスキーのDUNE』として事の顛末が綴られている)、監督・脚本を務めたデヴィッド・リンチに最終決定権がなく、スタジオの都合で大幅な尺の短縮を施された1984年版(後にテレビ放映用に未公開シーンを追加して50分程尺が長くなった再編集版が製作されている)、2000年にSci Fi Channelが製作し、ジョン・ハリソンが監督を務めたテレビ・ミニシリーズ版、2003年にその続編として『デューン/砂の惑星II』と題され、グレッグ・ヤイタネスが監督を務めたテレビ・ミニシリーズ版が作られている。
  • 未来の他の惑星の出来事を描いたSFと言っても、壮大な世界観の中で一人の特別な使命を背負った青年の成長を中心に登場人物の思惑を追ったドラマを楽しむ作品であるので、派手さを期待するなら他作品を当たった方が良いかも。ただ、“砂虫”が襲ってくるシーンのスケール感と緊張感は一見の価値が充分にある。
  • “砂の惑星”だけあって主な舞台は砂漠であり映像的にはどうしても地味目となるものの、その無限にも思える砂漠すらも美麗に見せ切る監督の実力こそ大したもの。服装や小道具、メカニックなど作中に登場するあらゆるデザインに既視感がありそうで無い不思議な映像感覚も楽しい。
  • テレビドラマ版は観ていないので、どうしても1984年版(あえてリンチ版とは言わない)との比較をしてしまい、そうなるとハルコネン男爵を演じたケネス・マクミランとフェイドを演じたスティングの怪演が頭をよぎるのは、幾度となく1984年版を見返している身としては仕方が無いところ。本作でフェイドが登場しなかったのは寂しいけど、今回ハルコネン男爵を演じたケネス・マクミランは割とイメージ通りだったし、何よりやはりハルコネン男爵は浮かんでなんぼの人なので、そのシーンを観られただけでも大満足。あと、ポールを演じたティモシー・シャラメは確かに美青年(あえてイケメンとは言わない)でありながら、儚さと意志の強さを同時に感じさせる存在感の強さで、どこか終始浮世離れを感じさせていたカイル・マクラクランとはまた違うポールが見れて良かった。
  • いよいよ核心へというところで後編となるPART TWOへと続く。散々作中で夢や幻覚を挿し込んで来たる近未来を煽った挙句のブツ切りっぽい締め方なので消化不良気味にはなるけど、前後編として見れば確かに切りが良いところではある…とは言ってみたものの、多少冗長気味なシーンが多めだったかなという印象が残ったのも事実。それはそれとして、137分で1本の映画として公開した1984年版がいかに無謀な編集によるダイジェスト版だったのかをあらためて窺い知る事が出来たのも興味深い。1984年版のカルトぶりは嫌いじゃないどころかそれはそれで好きな作品なんだけど。

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