ゴルゴ13

ゴルゴ13 
1983/Japan/95min
監督:出崎統
出演:(声)瑳川哲朗 , 納谷悟朗 , 藤田淑子 , 富田耕生 , 小林清志 , 武藤礼子 , 富山敬 , 嶋俊介 , 納谷六朗 , 千葉耕市

・世界を揺がす!超A級の興奮が襲いかかる!
・初のコンピュータ・アニメが出現!道の映像で描く1500万ファン待望のアクション超大作!


アメリカ・カリフォルニア沖に浮かぶ豪華客船。石油王レオナルド・ドーソンの誕生パーティの席上、この日から彼の事業を引き継ぐことになった息子ロバートの額を一発の銃弾が貫いた。狙撃者はゴルゴ13――国籍、年齢、本名…すべてが不明。その時から、ドーソン指揮の下、FBI、CIA、ペンタゴン、そして彼らが放つ刺客たちによる“ゴルゴ暗殺”の追撃戦が始まった。アメリカの闇の巨大な力が集結した史上最強の敵。ゴルゴ13に絶体絶命の危機が襲いかかる!
商品ページより転載)

  • さいとう・たかを作の劇画をアニメ化したクライム・アクション。複数回アニメ化されている中で、本作は1983年に劇場用アニメとして製作されたもの。
  • まずは世界で初めて3DCGをアニメに使ったとされるオープニングに驚く。リボルバーで撃ち出された弾丸が頭蓋骨を撃ち抜くという演出がなされた映像は、流石に現在からすれば一寸した素人でも作れそうな質とは言え、ファミコンが発売された年にこれだけのクオリティ(1秒あたり50万円かかっているらしい)のものが作られていた事は驚異的。本編ではクライマックス・シーンで1~2分程度(全部で13カットとのこと)使われていて、こっちの方は今でいうプレビズのような質となっている。セル・パートとの映像の差が激しいこともあって違和感は隠し切れない。戦闘が始まる前に全市民を退避させてあるという設定で人や車が一切出てこないのは、多分いや絶対にデータ量や作業量削減のために違いない。ついでながら、世界で初めてCGを導入した映画として有名な『トロン』は1982年製作。
  • 作られたのが色々と大らかな時代で、かつ大人向け作品という事もあって、裸の表現や所謂濡れ場のシーンが多い。
  • 作品としては、ゴルゴ13ことデューク・東郷(これも多分偽名なんだけど)のキャラクタ設定が原作とは多少違って意外と饒舌気味だったりゴルゴが言いそうなセリフが無かったりするのが少し違和感を感じるものの、高いバイオレンス性とサスペンス色が強めでハードボイルド調の雰囲気一杯のストーリーは見せ方が上手く、劇画を意識した様な凝った映像表現も手伝って原作を知らなくても楽しめるはず。
  • ゴルゴ自体はしっかりと仕事をやり遂げるものの、その他の登場人物は揃ってバッド・エンドという辛口な締め方も作品に合っている。

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