ナイト・オブ・ザ・リビング・デッド

NIGHT OF THE LIVING DEAD / LA NOTTE DEI MORTI VIVENTI 
1968/United States/96min
監督:George A. Romero
出演:Judith O'Dea , Duane Jones , Karl Hardman , Keith Wayne , Judith Ridley , Marilyn Eastman , Bill Heinzman , Kyra Schon , Charles Craig

・生ける屍が集う狂気の世界 身の毛もよだつ恐怖映画

父の墓参りの途中、バーバラと兄のジョニーはゾンビに襲われた。倒れた兄を置き去りにしてバーバラが近くの民家に逃げ込むと、そこには黒人青年ベンのほか5人が隠れていた。やがて周囲はゾンビの群れで溢れ……。
(作品解説文より転載)

  • ホラー映画パーフェクトコレクション『ゾンビの世界』1本目。
  • 監督はジョージ・A・ロメロ。出演はジュディス・オディア、デュアン・ジョーンズ、カール・ハードマン、キース・ウェイン、ジュディス・リドリー、マリリン・イーストマン、ビル・ハインツマン、カイラ・ショーン、チャールズ・クレイグ他。
  • ジョージ・A・ロメロの長編映画の監督デビュー作にして、本作以後の全てのホラー作品に何らかの影響を与え続けている偉大な作品。1999年、アメリカ議会図書館が、国立フィルム登録簿に登録した作品としても有名。
  • 本来、ゾンビとはブードゥー教の呪術で死人を蘇らせたものを指し、あくまで呪術者に使役されるだけの存在だったところ、本作で緩慢ながら自主的に動いて生者の肉を求めて襲い、噛む事で仲間を増やす、脳の破壊以外では活動を停止させられないという設定を追加・変更することで世にも恐ろしい“ゾンビ(モダン・ゾンビ)”という存在を生み出した事は“発明”に値する。ただし、実は作中ではグール(屍食鬼)と呼称され、ゾンビという扱いではなかったりする。(ロメロ作品で“ゾンビ”と呼ばれるのは『ゾンビ(DAWN OF THE DEAD)(1978年)』から)
  • ゾンビの設定のみならず、否応なしに籠城戦となる展開(これはリチャード・マシスンの小説『地球最後の男』の影響が強いとのこと)、それにまつわる人間ドラマ、結局一番怖いのは人間というオチなど、ホラー映画、特にゾンビ映画の定番要素が詰め込まれているのも見所。
  • 『マッド・マックス』の影響でオーストラリア・フォードの1973型ファルコンXBに強く惹かれるのと同じく、本作の影響で1968年型ポンティアック・ルマンに乗りたくて仕方が無い。
  • 一切救いが無く後味の悪い結末を迎えるのも本作を怖いホラー作品たらしめている一要素として必要不可欠なもの。
  • 実は配給時の手続きミスでパブリックドメイン状態となっているため、DVDや配信に制限が無いことになっているらしい。
  • この後、トム・サヴィーニが監督した『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド/死霊創世紀(1990年)』、アナグラフ方式(赤青メガネで見るやつ)の3D映画『超立体映画ゾンビ3D(2006年)』、ロメロ監督自身が監修した4Kリマスター版(2022年公開予定)など、今日に至るまで関連作やリメイク作が脈々と作られ続けられているのはゾンビスキーにとっては嬉しいやらチェックが大変なので困るやら。そう言えば、本作の脚本を担当したジョン・A・ルッソが15分の追加撮影を加えて再編集を行ない、1999年に発表した『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド 最終版』(往年のゾンビ・ファンには総じて不評)ってのもあったなぁ。

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