エル・ゾンビ 死霊騎士団の誕生

LA NOCHE DEL TERROR CIEGO / TOMBS OF THE BLIND DEAD 
1971/Spain , Portugal/101min
監督:Amando de Ossorio
出演:Lone Fleming , Cesar Burner , Helen Harp , Joseph Thelman , Rufino Ingles , Veronica Llimera , Maria Silva

・美女の生き血を求めて、地獄の騎士団が今、蘇る…荒れ果てた遺跡に迷い込んだヒロインを、恐ろしい怪異が襲う!記念すべきシリーズ第1弾。

親友たちとの汽車旅行の途中、ふとした仲違いから列車を飛び降りてしまったヴァージニア。一夜の宿にと、荒れ果てた遺跡に足を踏み入れた彼女は、そこが死霊の住処だとは知るよしもなかった。真夜中、墓地から這い上がってきたのは、腐り果てた体にローブをまとった騎士の一団!荒野に彼女の断末魔の絶叫がこだまする―。
商品ページより転載)

  • アマンド・デ・オッソリオが監督・脚本を務めるスペインのゾンビ・ホラー。
  • 出演はローン・フレミング、チェサー・バーナー、マリア・エレナ・アーポン、マリア・シルヴァ他。
  • 後に、本作に登場するゾンビを軸とするブラインド・デッド・シリーズとして全4作に亘って製作されている。
  • 正直なところ、内容はグダグダ。遅い上にまわりくどい展開の中、とりあえず端々にエロス表現を放り込み、妙なこだわりを見せるグロ描写で強引にオチをつける。典型的なB級ホラーとして申し分ない仕上がりではあるけど、本作の場合はローブを纏い馬を駆るゾンビ・テンプル騎士団そのものを見るためだけにあると言っても過言ではない。一見ウィークポイントにも思える盲目という要素さえもその魅力の一つとなるほどに、その姿はあまりにも格好良い。ただし、人を襲う理由が肉を喰らうのではなく生き血を啜る為なので、厳密に言えばモダン・ゾンビの範疇からは外れている…まぁゾンビでいいじゃないか。ところでエルって何だと思ったら英語で言うところの定冠詞“THE”で、多分日本の配給会社がスペイン産だからELでも付けとけ、ぐらいのノリで付けたと思われる。
  • 最終盤の列車の件あたりがクライマックスということになるけど、色々と疑問は沸きつつ少し予想外な方向へ向かう展開自体は楽しい。ラスト・ショットはただただ手抜き感しか伝わってこないのもまた良し。
  • DVDには101分のスペイン語版と84分のアメリカ公開版の2バージョン収録されていて、今回観たのはスペイン語版。英語版は何処がカットされているかは機会があれば見比べてみたい。
  • DVDの特典映像には“もう一つのオープニング”が収録されていたので観てみると、米国では『猿の惑星』の続編(!)『猿の惑星の復讐(REVENGE FROM PLANET APE)』(!!)として公開され、その際に2つの映画を関連づける(!!!)ために作られた1分程度のでっちあげ説明音声と特に動きの無い映像で纏められた代物だった。この配給会社はかなりの剛の者がいたんだろう。

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