プラン9・フロム・アウタースペース

PLAN 9 FROM OUTER SPACE / GRAVE ROBBERS FROM OUTER SPACE 
1959/USA/78min
監督:Edward D. Wood Jr.
出演:Gregory Walcott , Tom Keene , Duke Moore , Mona McKinnon , Dudley Manlove , Joanna Lee , Tor Johnson , Lyle Talbot , Bela Lugosi , Maila Nurmi , Criswell , John Breckinridge , Tom Mason , Tom Keene

公式サイト
・ヒドすぎて、愛おしい

アメリカの各地で空飛ぶ円盤が目撃される。それは、軍拡競争で自滅の道をたどる人間たちに警告するために外宇宙からやってきた宇宙人の乗った円盤だった。宇宙人は合衆国政府にコンタクトを試みるが、軍上層部は平和のメッセージが理解できずに拒絶、逆に円盤を攻撃してしまう。宇宙人は仕方なく、墓場に眠る死者を蘇らせて人間を驚かせ、地球を征服する<第9計画>を発動する…。
商品記事より転載)

  • エドワード・D・ウッド・Jrが監督・製作・原案・脚本を努めるSF・ホラー。
  • 出演はグレゴリー・ウォルコット、トム・キーン、デューク・ムーア、モナ・マッキノン、ダドリー・マンラヴ、ジョアンナ・リー、トー・ジョンソン、ライル・タルボット、ベラ・ルゴシ、ヴァンパイラ他。ベラ・ルゴシは本作撮影開始後2週間で心臓発作で死去してしまった為に本作が遺作となり、途中からは同役を代役のトム・メイソンなる歯医者さんが顔の下半分を隠して演じている。
  • 最低映画と言えば、まず挙げられる定番作品が『死霊の盆踊り』と本作。そこを踏まえた上でその2作のブルーレイ版を同時に発売する暴挙に出たポニーキャニオンは本当に恐ろしい会社。今回、何故か強烈にコレクションに入れておかないと!という強迫観念に捕らわれたので、その策略にまんまとノせられてみた。でも、ふと気付いたら観るまで2年以上経ってた…。
  • 酷いだの最低だの言うから相当覚悟を決めて観たら、最低作品というのは理解出来るけど決して“駄目な作品”ではなかった。確かにセット、衣装、小道具、それに特撮を含めた映像面の全てがチープであるのは見ての通り、ストーリーはハッタリの効かせ過ぎとフッテージの使いまわしの弊害による雑さが目に付いてその場凌ぎ感が隠し切れず、演出面も演技指導など無かったような棒演技をそのまま使っていたり、“~という体で”や“~となったと思って下さい”のような出来るだけお金を掛けない方向性ばかりで適当と思われても仕方が無い部分が多い事も否定しないし、ドが付くほどの底辺B級作品ではある。ただ、やりたい事を真面目に楽しみながら作っていて、何より観客を楽しませようとしているのがきちんと伝わってくる映画愛に溢れた作品であり、怖いホラーを作ってるはずなのに怖がらせる自信が無いからふざけた宣伝で誤魔化すような人達(明言はしないけど)が作るポリシーが感じられない(実際に全く怖さが無い)様な作品と比べたらはるかに面白みがあるし、良い時間を楽しめる。
  • 実際のところ、夫を残して先立った妻の葬儀から始まって、やがて地球人対宇宙人の抗争へと広がっていく壮大(?)なストーリーの中、未確認飛行物体、ゾンビ、吸血鬼(もどき)、宇宙人が所狭しと行き交う娯楽性の高さは相当高め。ただ、思いに技術が追い付けていないだけであり、それが問題ではあるんだけど…。何気に『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド(1968年)』以前にブードゥと切り離され、昼間に墓から蘇って人を襲うゾンビ(お食事はしないけど)が描かれている点も注目したいところ。 
  • ところでWikipediaによると本作はIMDbの最低100作品リストには入っていないとのこと。本作以上に最低な作品が少なくとも100本以上ある…オラ、ワクワクすっぞ!

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