クロスファイア

PYROKINESIS 
2000/Japan/115min
監督:金子修介
出演:矢田亜希子 , 伊藤英明 , 原田龍二 , 長澤まさみ , 吉沢悠 , 徳山秀典 , 永島敏行 , 桃井かおり

公式サイト
・その怒りは、すべてを灼きつくす。

OLの淳子は、人や物に発火できる超能力“パイロキネシス”を周囲から隠す。そんな淳子が好意を寄せる同僚、一樹の高校生の妹が惨殺される事件が発生。犯人は連続女子高生殺人事件の容疑者、小暮とその仲間たちと考えられる。淳子は復讐に燃える一樹に代わって小暮たちに制裁しようと決心し、現われた謎の超能力者・浩一の力を借りるが、小暮を取り逃がしてしまう。ちか子ら刑事たちは一連の事件に淳子が関与していると考え……。
作品情報ページより転載)

  • 宮部みゆきの同名小説と前日譚にあたる『燔祭』を原作として実写映画化したSF・ミステリー・アクション。アドベンチャー・ゲームの要素もあるデジタル・コミックとして漫画家もされているとのこと。
  • 主人公の青木淳子を演じる矢田亜希子は映画初主演作、特殊能力を複数持つ少女倉田かおりを演じる長澤まさみは本作がデビュー作となる。
  • パイロキネシス(念動発火能力)を持つ主人公が凶悪犯への私的制裁を果たそうと奔走するという構図は変わらないまま、対象が個人から快楽殺人集団へと変化していくストーリーで、多少薄さと曖昧さは感じるも娯楽性に富んだ作品性となっている。
  • 淳子が関わる人々の中に他の超能力者も登場するため、終いには様々なタイプの超能力者によるサイキック・ウォーズに発展するかと思ったら全然違った。もっともそういうのは『SPEC』シリーズで楽しむからいいか。
  • 若手陣に演技の硬さのようなものを感じる中、桃井かおりの飄々とした存在感を放つ好演が一際目を引く。
  • 作品の売りの一つのCGIと特殊メイクで表現された超能力発動の表現や人体発火・各種爆発を含めた炎を使ったシーンは作り込みが素晴らしく充分に見所となっている。クライマックスで炎の中を歩く淳子の姿は神々しささえ覚える程の名シーンで、多分本作のようなテーマの作品で皆が期待する映像のはず。
  • ところで車から煙が出ているのにガソリンスタンドに入って消火させるシーンは突っ込みどころなんだろうか。
  • 意外な展開を見せるラスト・シークエンスからエンディングの流れは少々都合が良過ぎる上に決してハッピーエンドではないながらも悪い気はしない。

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