ゴーストマスター

GHOST MASTER 
2019/Japan/90min
監督:ヤング ポール
出演:三浦貴大 , 成海璃子 , 板垣瑞生 , 永尾まりや , 原嶋元久 , 寺中寿之 , 篠原信一 , 川瀬陽太 , 柴本幸 , 森下能幸 , 手塚とおる , 麿赤兒

公式twitter
・究極の映画愛。

流行っているから低予算で作れば儲かる、という安易な発想と低い志で製作されることになった、とある “壁ドン”映画の撮影現場。ところが主演俳優が“壁ドン”について悩みはじめ、撮影がストップしてしまう。24時間稼働当たり前の過酷な現場で、事態の収拾を押しつけられたのはペーペーの助監督・黒沢明。名前だけは“巨匠”で“一流”だが、断れない性格が災いして便利使いに甘んじている、B級ホラーを愛するただの気弱な映画オタクだ。唯一の心の支えとしていた、いつか監督になる夢が無残に打ち砕かれた時、黒沢のうっ積した不満は悪霊を呼び寄せ、監督デビューのために書き温めていた渾身の脚本「ゴーストマスター」に憑依してしまう。撮影現場を阿鼻叫喚の地獄へと変えていく「ゴーストマスター」を、黒沢と撮影隊は止めることができるのか!?
商品ページより転載)

  • 映画の撮影現場で起きる怪異を描いたコメディ・スプラッタ・ホラー。
  • 監督は本作が長編作品デビュー作となるヤング ポール。
  • カルチュア・エンタテインメントとTSUTAYA主催の『TSUTAYA CREATERS'PROGRAM FILM 2016』と題されたコンペティションで準グランプリを受賞し、劇場公開作品として映画化されたものとのこと。
  • 製作陣が一昔前のホラー映画、特に『スペースバンパイア』と『死霊のはらわた(しかも2の方)』が好きでシーンの再現をやりたいのが痛い程伝わってきて、ホラー好きとしては応援せざるを得ない。それを思えばダサいタイトルもあえて狙ったものであることも理解出来る。一方でそこまで映画に興味が無い人が観ると内輪受けを狙ったグロい映画という様な認識で終わるかも。ところでラスト・シークエンスを見ると『ヘルレイザー3』も好きだったりする?
  • トビー・フーパーが好きと言って『悪魔のいけにえ』や『ポルターガイスト』あたりの有名作品ではなく『スペースバンパイア 』に焦点を当てるセンスは中々のもの。でもたまには『スペースインベーダー』や『マングラー』なんかも思い出してあげてください…。
  • 見所であるスプラッタ・シーンは老若男女関係なく意表を突くタイミングで容赦ない形で放り込んでこられるのが楽しい。ただ、“首めり込み男”の造形と行動だけはチープさを狙い過ぎてスベり気味に思える。
  • 有名監督をずらっと並べた後の「あいつは(入れなくて)いい」の台詞は「なんでやねん」のツッコミ待ちなんだろうな。
  • 状況設定から『カメラを止めるな!』と比較してしまうと、あそこまで捻くれたプロットではなく映画としてはストレートなホラー作品と言える。しかし、最終盤で映画が好きだからこそ不幸になっていくという『カメ止め』とは正反対の結末は意外と深いものがある。ラスト・カットがメタ・メタバースという表現で終わっているのは、アイディアとしては面白いとは思いつつ、そうじゃなくてもっと余韻が残る形でも良かった気はする。

コメント